『その女を殺せ』★★★★
1952年米、リチャード・フライシャー監督。
舞台を列車内に限定させたフライシャーの初期サスペンス。ひとりの女を巡り、彼女を安全に移送させようとする刑事、女の命を狙うギャングの攻防戦が列車という狭い空間の中で繰り広げられる。無関係の一般乗客と思われた○○が実は○○だったり、○○と思い込んでいた人物が実は○○だったりと二転三転する濃密な脚本が、70分程度という短い尺の中で展開するものだからとにかく忙しくあっという間に終わる。90年の『カナディアンエクスプレス』は本作のリメイクだがこちらは未見。
『危険な場所で』★★★★
1952年米、ニコラス・レイ監督。
孤独な暴力刑事ロバート・ライアンが左遷のような形でとばされた先の寒村がメインの舞台。そこで起こった殺人事件の犯人を追ったところ出会ったのが、犯人の姉である盲目の美女アイダ・ルピノ。都会の喧騒を離れた田舎、弟想いの純真な女性、守ってあげたくなるか弱い視覚障害者、と癒し要素満載の彼女にライアン刑事のすさんだ心は浄化されていくのであった。旅先で出会うなら「素朴盲目美女」に限りますね。男性の庇護本能くすぐられまくりです。