奇想漫画家・駕籠真太郎ブログ。単行本、イベント、特殊玩具など。視聴した映画のコメントは「映画徒然草」としてまとめています。駕籠真太郎公式HP【印度で乱数】http://www1.odn.ne.jp/~adc52520/
by tomezuka
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カテゴリ:映画徒然草チェコ編( 6 )

映画徒然草チェコ編その6

戦前に製作されたチェコ映画。

『春の調べ』★★
1934年、グスタフ・マハティ監督。
主演の女優さんヘディ・キースラーが全裸ヌードになるということで衝撃を(下半身に)与えた問題作。ヘディ・キースラー演じる若い女性が高齢のじいさんと結婚するのだけど、案の定身体が合わず若い男と不倫に走る。新妻の不貞に悲観したじいさんはこめかみを弾丸で打ち抜いてあの世逝き。
戦前の1934年、時代を考えれば相当ショッキングでしょうな。宮沢りえの全裸広告が新聞に載った時もえらくビックリしたものですが。ヌードを披露するのが室内ではなく野外というのもマニア度高し。

戦前のチェコ映画界はかなり活気にあふれていたようだが、第二次大戦や一時的な国の分裂といった時期を経て、1960年代のチェコヌーベルヴァーグと呼ばれるニューウェーブ系作家の活躍で世界的に認められることとなる。

なおその5で取り上げた『ダークブルー』を『ダークスカイ』と間違って記述しておりました。すんません。
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by tomezuka | 2007-11-05 14:33 | 映画徒然草チェコ編

映画徒然草チェコ編その5

新しめのチェコ映画2本。

『プラハ』★★★
2001年、フィリプ・レンチ監督。
チェコ製ミュージカル。歌って踊る場面ではバスビー・バークレイ風振り付け&アングルまで取り込む貪欲ぶり。黄金期のハリウッドミュージカルほどの躍動感は感じられなかったが、カラフルでポップな色使いがなかなかイカス。ドプチェク政権下の「プラハの春」の時期の物語で、改革による自由をチェコ人たちは謳歌しているが、それもワルシャワ条約機構軍の戦車によって蹂躙されてしまう。時代が暗転したまま映画が終了してしまうのは、まだチェコの人々にソ連軍に抑圧されていた時代の悲壮な記憶が重く残っているからなのだろうか?

『ダークブルー』★★★
2001年、ヤン・ズヴエラーク監督。
第二次大戦時、イギリス空軍と共に戦っていたチェコ兵士の恋と友情物語。CGを多用したプロペラ機空中戦はリアルながらどこか牧歌的である。戦闘機マニアにはたまらない映画であろう。
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by tomezuka | 2007-10-31 18:58 | 映画徒然草チェコ編

映画徒然草チェコ編その4

いままでブログデザインにはまったく無頓着だったのだけど、急に思い立って変更してみました。あとカテゴリも整理。ほとんど映画ばっかになってしまいましたが。

で、チェコ映画編続き。今回はミロス・フォアマン監督2本。フォアマン監督は後にアメリカに渡って『カッコーの巣の上で』『アマデウス』を撮った人。

『火事だよ!カワイ子ちゃん』★★★
1968年、ミロス・フォアマン監督。
消防署主催のダンスパーティでのドタバタが展開されるスラップスティック調のコメディ。くじ引きの景品が盗まれたりミスコン出演の女の子たちが逃亡したりとパーティは主催者の思惑通りに進んでくれず、耄碌した前署長がピントの外れた行動を繰返す。後半のパーティの破綻振りが見もの。また映画中盤で近隣で火事が発生するのだけど、焼け出されたおじいさんが寒そうにしているので燃えている家に近づけて暖をとらせたりとギャグもかなりアナーキー。

『ブロンドの恋』★★★
1965年、ミロス・フォアマン監督。
ゴダールやトリュフォーの初期作品を見るような青春映画。主人公の少女はパーティでピアノ奏者の若者にナンパされ甘い夜をすごす。彼を忘れられずはるばる実家まで訪ねたものの、若者にとってはせいぜいちょっとした火遊びにすぎなかった、という夢破れ物語。本筋とは無関係のエピソードだけど、主人公の少女らをナンパしようとする中年トリオのダメ振りがよろしい。
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by tomezuka | 2007-10-27 03:09 | 映画徒然草チェコ編

映画徒然草チェコ編その3

チェコの非ファンタジー映画2本。日本でも著名な作品。

『コーリャ 愛のプラハ』★★★
1996年、ヤン・スヴェラーク監督。チェコ、イギリス、フランス合作。
女たらしのチェロ演奏家の男が金のためにコブ付ロシア女と偽装結婚、ところがロシア女はチェコの市民権を入手したとたん5歳のコーリャを残して西ドイツに亡命してしまう(当時はロシア人が直接西側に渡ることができなかった)。おかげで男は幼いコーリャを養うはめになる。後の展開は想像通り。さまざまな出来事を経て血の繋がらない二人の絆がズフズフ深まっていきます。

【血の繋がらない大人と子供の物語すごろく】
・スタート(出会い)

・当初は馴染まない(きずな値0)

・危機とその回避(ふたりを襲う危機的状況。生命に危険が及ぶことも。きずな値30)

・子供の迷子(その後見つかる。大抵の場合、そこで抱擁が発生する。きずな値60)

・子供の病気(介抱と治癒。高熱のケースが多い。きずな値90)

・すでに離れがたい心情(きずな値MAX)

・ゴール(別れ。場合によってはそのまま持続)

ストーリー自体は手垢にまみれた感が強いのだが、それより当時のチェコ(まだ分離前なので正確にはチェコスロバキア)の、ソ連影響下での共産党一党独裁状態の様子が垣間見られて興味深い。ソ連軍が駐留してたり、窓にソ連の国旗を掲げてなきゃいれなかったり、常に秘密警察の影におびえていたり。なもので、チェコの人々はソ連に対して声高に言えないものの憎悪の念を抱いております。
終盤、民主化革命が起こり、チェコはソ連から解放される。おかげで亡命していた女も自由渡航が可能となって、コーリャを引き取りにくる。実の親子なみに深まっていたふたりの絆もここで唐突に終わりを告げられてしまう。
スヴェラーク監督は本作の2年前にナンセンスSFコメディ『アキュムレーター1』を撮っている。こちらは『コーリャ』とはまるでノリの違う怪作なので必見。

『スイート・スイート・ビレッジ』★★★
1985年、イジー・メンツェル監督。
田舎はいいよね、ほのぼのしてて、という話。オツムの弱い青年と仕事仲間のおっさんの凸凹コンビ、村人の相談役となっている医者、浮気を疑う亭主、その女房とできている都会出身の男、年上女教師にあこがれる少年などなど、個性豊かな面々の日常生活がたんたんと描写されます。医者はマイカー運転中日常茶飯事に交通事故、暴力亭主は女房をぶん殴り、少年は女教師の触れ場を目撃して服毒自殺を図ります。意外と事件起こります。でもやっぱり田舎はほのぼのしてていいところなのです。してなきゃいけないんです。「田舎よいとこ」映画なのだから。
イジー・メンツェル監督は1960年代のチェコ・ヌーベルバーグ作家のひとりとされていて、66年には『厳重に監視された列車』という作品を撮っている。残念ながらこちらは未見。
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by tomezuka | 2007-10-24 00:35 | 映画徒然草チェコ編

映画徒然草チェコ編その2

チェコ製ファンタジー・幻想系映画2本。

『闇のバイブル 聖少女の詩』★★★★
1969年、ヤロミール・イレシュ監督。
「映画の魅惑」という本では『ヴァレリエとその一週間』というタイトルで紹介されている。13歳の少女ヴァレリエが初潮を迎えて以降、吸血鬼、兄と称する青年、肉体関係を迫る神父など怪しげな人物が次々現れる。しかしこれら謎のキャラがいつの間にやら死んでしまったり、挙句の果てには設定まで変わってたりする。そもそも物語の整合性などはなから無視されていて、現実、幻想、夢の境界線は完全に無効化。少女趣味なゴシック様式美の世界をあてどもなく漂流させられる。なによりこの映画はヴァレリエを演じるヤロスラヴァ・シャレロヴァのイメージフィルムである。ストーリーがよく分からんと怒るりも、ゴスロリ衣装に身を包んだヴァレリエの愛くるしさを堪能すべき作品なのである。おっぱいポロリまであるし。

『フライングコブラ 愛と幻想の伝説』★★
1986年、ズデニェック・トゥロシュカ監督。
塔に幽閉されたお姫様を、空飛ぶ機械を発明した靴屋の若者が救出する話。お姫様はよほど男に飢えていたのか映画前半で若者とあっさり結ばれてしまう。ふたりして塔から脱出したもののお姫様は魔女に誘拐されてしまう。若者は幾多の試練を乗り越えお姫様のもとにたどり着く。中盤のくだりは凡庸だが、魔女の元から救い出してめでたしめでたしとはならずラストもうひと展開あるのがミソ。機械仕掛けの鳥や魔女のテーブルに出現するキノコが立体アニメで表現されていて楽しい。
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by tomezuka | 2007-10-23 02:25 | 映画徒然草チェコ編

映画徒然草チェコ編

突然チェコ映画を徹底的に見たくなりまして。チェコ映画というと、ヤン・シュヴァンクマイエル、イジー・トルンカ、カレル・ゼマンといったアニメ作家や、オシャレ映画として認識されてしまった『ひなぎく』などが日本では有名どころ。それ以外にも『カルパテ城の謎』などファンタジー系映画がよく紹介されている。でも実際にはアニメやファンタジー映画以外のジャンルも数多く製作されています。ではチェコではどのくらいのファンタジー映画、そして非ファンタジー映画が作られているのか?そんな疑問がふと浮かび、チェコ映画漁りの日々が始まってしまったのです。

まずはチェコの職人監督ユライ・ヘルツ作品。DVDでは「チェコ怪奇骨董幻想箱」というBOXシリーズに入っています。

『モルギアナ』★★★★
1972年、ユライ・ヘルツ監督。
妹に異常な嫉妬心を抱く姉が、妹を毒殺しなおかつ相続した遺産を独り占めせんと奔走するブラックコメディ。厚塗りメイクの真っ黒なゴス衣装に身を包んだ姉のキャラクターが最高。水浴びしている下女の背後から投石して首をへし折ってヘラヘラ笑ってるさまなどほとんどホラーである。イヴァ・ヤンズロヴァという女優さんが姉と妹の2役を演じているのだが、メイクや衣装があまりに違いすぎるので言われなきゃ気付かないです。

『ナインスハート』★★
1977年、ユライ・ヘルツ監督。
王女を誘拐した占星術師の真の目的は、王女を救いに来る者の心臓を9つ入手することで完成する不老不死の薬を手に入れること。占星術師の陰謀を阻むべく貧しい学生が悪の城に潜入する。おとぎ話によくあるお姫様救出もので実に他愛ないストーリーながら、占星術師の城の内部のゴシック調美術やカラフルな照明の美しさが見もの。オチにひと捻りあり。

『高速ヴァンパイア』
1982年、ユライ・ヘルツ監督。
このタイトルからどんな奇想天外なホラーかと期待してたら割と地味な企業の陰謀ものでした。大手自動車会社の目玉商品の車「ヴァンパイアRSR」は実はドライバーの血を吸って動いているのでは、という疑惑を探っていくホラータッチのミステリーなのだが、サスペンスとしても犯罪スリラーとしてもいまひとつ弾まず、ちょっと多めに血のりが出てくるサービスがあったかと思えば夢オチだったりの腰砕け。道路横断中に信号が変わってしまい真ん中で立ち往生してしまう老婆の小エピソードなどちょい変なシーンもあるにはあるのだが、全編通じてどういうテンションで見ていいのか分からない居心地の悪さが最後までぬぐいきれなかった。前述の夢のくだりで、ボンネットの裏側が内臓みたくなってる場面があり、ひょっとしたら『ヴィデオドローム』に影響されたのかと思ったら本作のほうが制作年度が早かった。
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by tomezuka | 2007-10-23 01:51 | 映画徒然草チェコ編