東京国際ファンタスティック映画祭クロージング作品。
「ナイトウォッチ」
ロシア発映像革命、という触れ込みで現時点では日本公開未定のもの。光と闇の対決というおなじみのシチュエーションを描いたオカルトアクション映画。人間の中には「異種」と呼ばれる者たちが存在していて、さまざまな特殊能力を持っている。これまで一般人だった人間があるきっかけで「異種」として覚醒するのだが、覚醒したとき光の側になるか闇の側になるか選択しなければならないのだ。この、初めから光か闇かが決まっているわけではない、というのがこの映画のポイント。単純に考えれば「光=正義」「闇=悪」なのだが、この映画では光の人間にも打算的なところがあったり、人間的な弱さを持っていたりするのだ。善悪二元論ではないというのは、シリーズ第二作予定のもののタイトルが「デイウォッチ」(「ナイトウォッチ」が光側から描いた物語なのに対して、闇側のストーリーが語られるのだと思われる)であることからも伺える。
そのほか、闇の人間が悪さしたときに取り締まるために光側が会社組織的なものを設立していて、何気に官僚主義くささが漂うのもミソ。