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映画徒然草RKO古典ホラー
RKOクラシックホラーとして出ているDVDシリーズのヴァル・リュートン製作6本をまとめ見。全体の出来のよさにはそれぞれ差はあるものの、直接描写を避けた雰囲気で見せる怪奇演出はどの作品も見ごたえあり。また、超自然的な存在(幽霊やモンスターなど)に重きをおかず、恐ろしいのは人間そのものという結論に達しているのも共通している。実際のところ、オカルト要素があるのは『私はゾンビと歩いた!』くらいだったりする。
『キャットピープルの呪い』★★ 1944年米、ロバート・ワイズ、グンター・フォン・フリッチ監督。 後にリメイクもされた『キャットピープル』の続編にあたる。とはいえ、実際のところキャットピープルは孤独な少女の空想上の友達としてしか登場せず、実在のほども確かではない。無関心な親、謎の老婆らに揺り動かされる少女の不安定な心がメインテーマであり、ホラーというよりはファンタスティック調のサイコサスペンス。 『死体を売る男』★★★★ 1945年米、ロバート・ワイズ監督。 解剖医に死体を提供する粗暴な男にボリス・カーロフが扮している。墓場や死体安置所、暴風吹きすさぶ街道を走る馬車などゴシックな雰囲気満載であり、6作品の中ではもっともサスペンスフルに盛り上がる一作。ベラ・ルゴシも共演してはいるが、大した活躍もせずあっさりカーロフの毒牙にかかってしまう。 『私はゾンビと歩いた!』★★ 1943年米、ジャック・ターナー監督。 ゾンビ映画の古典の中でも知名度の高いもの。ゾンビの恐怖よりも、ゾンビにされてしまうことへの恐怖が主眼となっている。全体的にかなりのんびりしたムードでけっこうダレるのだが、主人公がブードゥ教の寺院にたどり着くまでの怪奇なムードは見ごたえあり。 『レオパルドマン-豹男』★★★ 1943年米、ジャック・ターナー監督。 見世物用の黒豹が町に放たれてしまい、少女が第一の被害者に。その後第二、第三の犠牲者が出るのだが、黒豹を犯人とするにはどうも疑問が残るのだ。何者かが黒豹の事件を隠れ蓑に猟奇犯罪を行っているのでは・・・?第一の犠牲者である少女が襲われるくだり、高架下の暗闇や風に揺れる草むら、そして悲鳴と共にドアの下からあふれ出る血のりといった描写がたまらなくグッド。 『吸血鬼ボボラカ』★★★ 1945年米、マーク・ロブソン監督。 小さな島で発生した致死性の伝染病の恐怖と、現地に伝わる悪魔伝説を合体させ、さらにポーの「早すぎる埋葬」までミックスさせた異色作。仮死状態のまま棺に入れられ、発狂した婦人が魔女のごとく徘徊し襲い掛かるくだりは最高。ただそこに行き着くまでは少々かったるいのも事実だが。 『恐怖の精神病院』★★ 1946年米、マーク・ロブソン監督。 ボリス・カーロフ扮する精神病院の院長の趣味は入院患者をいたぶること。院長を非難する輩はたとえ正常な精神の持ち主でも適当に症状をでっち上げて院内にぶち込んでやればいいのだ。そんな悪行三昧の日々がたたり、ついに患者たちの逆襲をくらってしまう。精神病院が舞台とはいえ、予想したほど凄惨な映画ではなかった。フラーの『ショック集団』のほうがはるかに救いがない。
by tomezuka
| 2007-12-18 01:12
| 映画徒然草ホラー編
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